温度管理の基礎といえるのは、何を理由に温度を管理するのか、その重要性についても理解しておくことにあります。一般的には食品や医薬品、精密機械の分野において温度管理が重要とされており、一定の範囲内で温度を保つように管理することが目的となります。生鮮食品を頭に思い浮かべてイメージすると分かりますが、常温のまま置いておいたり熱風に当てればたちまち傷んでしまいます。これでは安心して口にできませんし、生臭さから腐敗臭に変わってとても食べられるものではなくなります。
医薬品も同様に誤った温度管理は品質の低下を招き信頼性がなくなりますし、精密機械も信頼性が落ちて客先に納入できないといったことにもなり得ます。温度管理は製品のみか、あるいは特定の空間を対象とするのか、目標の温度や許容できる範囲なども決めることが必要です。厳密に管理をするならやはり、外的な要因の影響を受けない密閉した空間が不可欠で、例えば冷蔵庫のように温度を保てる設備が重要になります。発泡スチロールや断熱材入りのバッグのように、温度変化を緩やかにできる簡易的な管理方法もありますが、簡易はあくまでも簡易です。
企業のイメージや信頼性に直結することになる重要性の高い温度管理は、冷蔵庫やそれに準じる設備でしっかりと取り組みたいところです。冷蔵や冷凍設備を設置する環境と、搬入や搬出経路にも注意が必要ですから、俯瞰的な視点で全体的に見ながら管理するシステムを構築することが大事です。